2022/08/10 09:41
誰でも3分で小説を書けるゲーム「ショートショートnote」のアイディア
単語が書いてあるたくさんのカードから2枚を選んで組み合わせてタイトルを作り、ヒントカードを使ってそのタイトルの小説を書くというゲームです。PCやスマートフォンなどを使って実際に物語を執筆し、オンラインツールで見せ合って感想を言い合うところが、カードゲームとしては新しい体験です。物語の発想法は、ショートショート作家の田丸雅智さんが実際に創作に使われている方法を参考にさせていただきました。
このゲームの遊びを設計する際に、僕は「カラオケ」を参考にしました。カラオケを生まれて初めて人前で歌うときは、おそらく「嬉し恥ずかし」というような感情だったのではないでしょうか。そして1回歌えたら、もうマイクを離したくなくなってしまうくらいの快感を覚える人も多いものです。そのようにして小説を書くということを好きになってもらいたいと考えました。
小説を書くのが初めての人同士で集まって遊んだときに、誰かの作品を読んだら他の人は必ずそれを褒めてしまうという点も、カラオケを参考にしたこのゲームの特徴です。みんな、自分が初めて書いた物語を否定されたくないですよね。だから、他の人の作品を否定することもありません。その心理が働くことで、全員の作品がベタ褒めされる流れになり、楽しくなって執筆遊びを繰り返すようになります。カラオケですよね。
ちなみに、このゲームの構想は発売する数年前からありました。OQTA HATOという遠隔で鳴かせて想いを届ける鳩時計のユーザーさんたちと集まって、「HATO小説部」という部活を作ったことがあったのです。話の中にOQTA HATOが出てくることだけを条件に小説を書いて見せ合っていたら、ものすごく面白かったので、「これ、ゲームにできるな」と思ったのですが、集まって遊ぶシチュエーションがイメージできなかったので商品化をためらっていました。しかし、コロナ禍によりリモート通話が常識になったことで、オンラインで全国の人と一緒に遊べるという形にまとめて、このゲームは発売されることになりました。アイディアは実現するタイミングも重要です。
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◆この原稿は、ボイスメディアVoicyの音声配信番組、「高橋晋平の1日1アイデア」を参考に原稿化されたものです。
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