2022/07/06 13:39
進研ゼミは革命的です。
学習コンテンツの内容はもちろん、そのすごさは何といっても、子どもから進んで「やりたい!」と言ってしまう見せ方です。子供が「やりたいからお金を出して!」と言い出す勉強など、この世に唯一無二だと思います。
今も僕の家には、入会案内のパンフレットがすごい頻度で郵送されてきます。送られてくるようになったきっかけはおそらく、病院で生まれたときに後日郵送されるノベルティをもらったことだったと思います。
僕が子供の頃は、秋田の田舎の農道で住所を聞かれて、無邪気に答えたら家にチラシが送られてくるようになったと記憶しています。そうやって毎月のように届く「マンガ」を読んで、僕も「進研ゼミ」をやりたい!と騒ぐようになり、そして親にやらせてもらい、すぐに全然やらなくなって退会しました。
昔届いていたこの「マンガ」。秀逸でしたよね。覚えている同世代の方も多いでしょう。
ストーリーはだいたい決まっていて、最初は冴えない主人公が進研ゼミを始めたらガンガン成績がよくなっていきます。そのうち部活も調子がよくなっていって、最終的に好きな女子とうまくいくみたいなサクセスストーリーです。それを読んで親に「やりたい!」と言うわけですよね。
商売を作るときには、不純な動機が必要です。
人がものを買う理由はほぼ全て「他者にモテたいから」だと僕は表現しています。少なくとも僕は、どんなものでも他人の目を意識して買っています。スーパーでお菓子を選ぶときすら、「これを食べた感想を人に言いたい」とか「妻に嫌がられないおやつを買いたい」とか、人目を気にしています。
ものを売るときには、それを買ったらどんな良いことがあるかをお客さんに見せることが商売の鉄則ですが、仮にその売り物が必需品だとしても、必要だから買うケースは稀と言っていいでしょう。ほとんど人間の買い物の欲求はほとんどモテたいからです。
服を買うときは当然、モテたいという基準で服を選びます。
異性からモテたいという恋愛文脈だけではありません。友達や家族も含めたすべての他人からの「モテ」を意識するということです。
話は変わりますが、不純な動機の強さは、買う側だけでなく、作る側も自身のために利用できます。
商売を作るのは本当に大変です。大きい会社の新規事業担当は過酷極まりない仕事です。
必死に商品の研究開発をして、何度も技術の壁にぶち当たります。企画を通すためにプレゼン準備をして「こんなもん売れない」などと上から言われて壁にぶち当たったりします。
流通に導入しようとしてもお店の人に「こんなの売れない」みたいに言われます。
それをとてつもないエネルギーで突破していくためには不純な動機でもなければやれません。
この不純な動機がなかったら本当に新しいものを生み出すような精神力や行動力はほとんどの人は出せないと思います。
他の人を幸せにするために新しい価値を生む仕事をやって行くときは、自分も得する仕事にしておいたほうが、成功するまでやり抜けます。
まずは誰よりも自分のための仕事を作りましょう。
◆この原稿は、ボイスメディアVoicyの音声配信番組、「高橋晋平の1日1アイデア」を参考に原稿化されたものです。
Voicy 高橋晋平の1日1アイデア:https://voicy.jp/channel/1883
高橋晋平Twitter:https://twitter.com/simpeiidea
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