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2022/07/04 13:19



僕は20年以上前からアイディア発想という分野にすごく興味があって、世界中のアイディアの事例を本で読んだりしてワクワクしていたのですが、当時、世界三大発明を決めるなら、「コンタクトレンズ」は必ず入るな、と思っていました。

 

初めて自分もコンタクトレンズを使おうと決めたのは大学生のときです。正直、メガネからコンタクトレンズに変える理由はおしゃれのためでしたが、初めて入れる前の自分の常識からすると「眼球にものを入れるとは一体どういうことだ!?」と信じられない気持ちと恐怖心がありました。

 

もちろん、すでに使っている人がたくさんいるし、コンタクトレンズという存在はずっと前から知っていましたが、かなりビビりました。

その後でアイディア発想学について考え始めたときも、最初に目に道具を入れて視力を上げることを考えた人の思考が想像できませんでした。

人間は「頭の中で想像できるものは必ず実現させることができる」とよく言われます。コンタクトレンズは、目に何か入れることを想像できない人は絶対に思いつきません。思いつくことができる人は、医学的な情報を良く知っていたから、その発想に至ることができたのだと想像できます。

 

僕は以前、大企業であるおもちゃメーカーに勤めていました。会社員時代に心残りはありませんが、唯一「会社にいた頃にやっておけばよかったかも」と思っていることは、値段が高くて高性能なおもちゃを作る部署での企画開発業務です。

 

ハイスペックなおもちゃを作る担当を経験した人は、発想できるおもちゃの範囲が広いです。いろいろなことを大胆に考えられます。おもちゃに限らずどんな業界でも同じです。大きな仕事をした経験があれば、発想できるアイディアが大きくなります。

 

僕は会社にいる10年間ずっと、カプセルトイなど小さめのプロダクトを作る部署にいました。予算が少ない中でどうやって工夫して面白いものを作るかというアイディアをずっと考えていました。それはそれで制約条件の中で面白いアイディアを考える発想筋肉が鍛えられましたが、新しいおもちゃの企画を考えるときに、新しい面白さがあるスケールの大きなおもちゃを作る可能性を最初から捨ててしまう悪い癖があります。

 

アイディアは、いろいろな可能性を考えた上で、その中から実現できるものを選んでいくので、可能性が多い方が最終的に強いアイディアを選べます。

 

妄想が頭に浮かんでも、すぐに「不可能でしょ」と思ってしまうことが多いかもしれませんが、世界にはまだまだ不思議なことや分からないことがたくさんあり、ひとつの妄想が絶対に不可能だと証明することが何よりも難しいと言われています。最初は、何でもできると仮定していろいろなアイディアを自由に考え始めてみてはいかがでしょうか。

 

 


◆この原稿は、ボイスメディアVoicyの音声配信番組、「高橋晋平の11アイデア」を参考に原稿化されたものです。

 

Voicy 高橋晋平の11アイデア:https://voicy.jp/channel/1883

高橋晋平Twitterhttps://twitter.com/simpeiidea

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